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2016.08.09トピックス

夏の漢方薬ウイン調剤薬局北寺尾店 漢方認定指導薬剤師 須田 麻子

梅雨も終わり、暑い夏がやってきました。
近年は異常気象が続き、気温の上昇がみられます。一部の地域では40度を記録する事態となっています。そこで、問題となるのが熱中症です。熱中症で救急搬送された方は2010年以降、増加傾向にあります。
夏を元気に過ごすために、暑さに対する健康管理が大事なポイントになります。
熱中症の原因としては、食欲不振による栄養不足、胃腸の疲れによる消化能力の低下、暑さによる睡眠不足など様々な原因が考えられます。
このような症状にどのように対応していくのか。
西洋薬では、症状に対してピンポイントで効果が期待できます。しかし、熱中症のような体のバランスが崩れて症状として現われている場合、漢方薬の得意分野ではないかと思います。
熱中症に対する主な処方として清暑益気湯や補中益気湯などがあり、これらは、「ニンジン」と「オウギ」という2種類の生薬が入っています。この2つの生薬が入ったものをジンギ剤と呼び、疲労回復や滋養強壮に効果があるとされています。
それぞれどんな症状の人に合うのか。

 

清暑益気湯

高温多湿の環境下で体力が消耗し、食欲が落ちて体重が減るような、体温調節がうまく出来ず、体に熱のこもった状態

補中益気湯

胃腸が冷えて、消化機能が下がるような、冷えによる体調の変化

中国(金元)の医師、李東垣は脾胃(=胃腸)が重要であると考えてい、脾胃は湿気に弱いとされています。そのため、暑いからといって冷たいアイスや、ジュース、ビールなどの摂りすぎに注意が必要です。

夏を元気に過ごすためのポイント

1.水分補給
常温の麦茶やはと麦茶をのどが渇く前にこまめに摂る

2.夏野菜を積極的に摂る
ゴーヤやキュウリ、スイカなどは火照りを冷まし、内側から潤いを与えてくれる

3.三つの首で体温調節
首、足首、手首は太い血管が通っているので、それらを冷やすことで体内の寒熱の調整を素早く出来る。このようなことを心がけ、暑い夏を少しでも快適に過ごせればと思います。